歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしり、食いしばり
◎歯ぎしり(グラインディング)、食いしばり(クレンチング)は、歯が悪くなる原因として、最近、歯科ではたいへん注目されてきました。歯ぎしり、食いしばりは両方あわせて、ブラキシズムといいます。
グラインディング | クレンチング |
◎クレンチングによる歯の変化
(デンタルハイジーン別冊知っておきたい「力」のこと牛島隆他著より写真引用)
1.歯がすり減る | 2.歯が欠ける |
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3.歯の根元が削れる | 4.歯が割れる |
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5.歯がグラグラになる | 6.肩こりや顔の筋肉の痛み |
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7.入れ歯が壊れる | |
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◎歯ぎしり、食いしばりは、下図のように、咀嚼筋(咬筋、側頭筋、顎二腹筋)、胸鎖乳突筋などの、過度の緊張で起こります。
そして、×印のついた、こめかみ、耳の下あたり、首に痛み、こわばり、凝りが出やすいのです。
さらに、その関連痛として、赤色部分に歯痛として出現することもあります。
歯ぎしり、食いしばりの人へのアドバイス
歯ぎしり、食いしばりは無意識のうちにやっていることがほとんどです。
たとえば、本を読んでいる時、パソコンをしている時、車の運転をしている時、家事をしている時など、日常数え切れないほどです。また、睡眠時の、歯ぎしり、食いしばりも多くみられます。
では、このような、歯にも、周辺の組織にもダメージを与える“歯ぎしり、食いしばり”に対して、どのように対処していけばいいのでしょうか?
日中(睡眠時以外)の状況での対策
長時間、同じ姿勢を続けないこと
人、それぞれ違いますが、長時間、同じ姿勢を続けないことです
本を読んだり、ずっと座って仕事をしている、趣味に熱中する、スポーツを過度にする、長時間の運転をする・・・などです。これらは、力仕事をしているように、筋肉の緊張が高まり、無意識のうちに食いしばっていることが多いです。
あと、最近、多くみられるのが、 パソコンを長時間やることです。インターネットの普及により、情報収集が便利になりましたが、つい、長時間やりすぎてしまうようです。
したがって、何かする時は(人によって違いはありますが)1時間以上、同じ姿勢を続けないことです。座りっぱなしの時などは、ときどき、歩き回って、体をほぐすようにしてください。
あと、食いしばりはいけないと意識し、どんな時に食いしばっているかを、ご自身で確かめてみることです。そして、どんな時食いしばることが多いか確認できれば、意識して、食いしばりを減らしていくことが可能です。
さらに、長時間の運転やスポーツ時、仕事など、しなくてはならない時はマウスピースをつけるのも効果的です。 ただ、マウスピースはあまり習慣的に長期間つけると、顎関節などによくないといわれています。
睡眠時の対策
睡眠時は無意識であるため、決め手となるものはありませんが、普段から、食いしばりに注意していれば、無意識下においても、ある程度は防ぐことはできます。
意識下のトレーニングは無意識下に少しずつ入っていくというわけです。
あと、就寝時の頭の向きもいつも、左右側どちらかに偏っている場合は、それを改善するようにしてください。
だいたいに場合、下にしているほうの歯を強く食いしばってしまい、しかも、頭の重さもかかってきますので、歯も、 歯ぐきも、顎関節も弱ってきます。
眠る前に歯ぎしり、食いしばり注意と自己暗示をかけるのも一つの方法です。