立川歯周病研究所(医療法人社団徳梓会 近藤歯科クリニック監修)
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歯周病の予防

ライフスタイルと歯周病

生活習慣病といわれている現代人を悩ます多くの病気に、私たちのライフスタイルや運動、食事の改善が最も効果があるのと同じように、歯周病も生活のライフスタイルを少し改善しただけでもずいぶん違ってきます。

歯ブラシもあまりしない、生活スタイルはそのまま、タバコもやめない、そんな患者さんは期待した、治療効果は得られせん。

歯周病の治療は、炎症を取り除いたり、かみ合わせを調整したりするという治療以外に、ライフスタイルの改善や補助的な栄養摂取によって身体全体のバランスを調整する必要があります。

以下、歯周病予防、治療に良いライフスタイルを考えてみましょう。

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歯周病予防に効果的な体質改善

歯周病予防、または歯周病治療に効果的な体質改善のライフスタイルには以下に6項目があげられます。

1.免疫力を高める

2.感染環境の改善

3.抗酸化体質

4.ストレス環境の改善

5.喫煙の制限

6. 骨を強くする

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免疫力を高める睡眠

良質な眠りは免疫力を高めることがわかっていますが、日本人の多くは睡眠に問題を抱えているといわれ、5人に1人が何らかの睡眠に対する障害を訴えているそうです。

その原因はよくわかっていませんが、やはり、ストレス環境への不適応が一番の問題のようです。

睡眠障害と生活習慣病の関係は以前からいろいろ指摘されていますが、高血圧、糖尿病、高脂血症などが眠りと深い関係にあることもわかっています。

眠りには「体は眠っているのに脳は起きている」状態である“レム睡眠”と、深い眠りの状態の“ノンレム睡眠”があります。

免疫力が高まるのは、ノンレム睡眠のときです。睡眠により免疫力を高めるには深い眠りにつくことが必要です。睡眠は生涯を通じて量・質ともに変化します。ですから、睡眠に対する1日のリズムを確立することが大切です。

飲酒や、空腹を満たすために食事をしたりしますと、良質な睡眠には逆効果です。リラックスした環境づくりが大切です。

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免疫力と腸の関係

免疫力を高めるものとして「腸」があります。

たとえば、アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患ですが、中国医学では腸に問題があると診ます。それは、腸に生息している細菌の働きがポイントなのです。腸の調子がよくなると、善玉の腸内細菌が優勢になります。

善玉の腸内細菌が活発に働くと、何より消化・吸収・代謝の力を高めます。その結果、私たちが健康に生きるのに必要なホルモンやビタミンをつくってくれるのです。

また、これらの善玉腸内細菌は有害物質・発がん物質を分解して排泄します。その活発な代謝が腸内pHの調整と腸の蠕動運動を活発化して免疫力を高めるのです。

ですから、内臓が下垂しないように腹筋を鍛え、食事やサプリメントを通して善玉腸内細菌をふやしていくようにすることが重要です。

腸内細菌

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感染環境の改善

Oー157などの食中毒やインフルエンザの流行など、身近な感染症は少なくありません。

したがって、帰宅時のうがい、手洗い、人が多く集まる場所でのマスクの着用が大切です。ただし、過度の清潔は問題があるようです。

最近は「抗菌グッズ」も流行していて、潔癖症の方が増えているそうですが、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎氏は講演会のなかで

「バイ菌を大切にすることです。風邪の原因の95%はウイルスによるものです。抗生物質は効かないわけです。風邪で医者に行くと抗生物質を出しますが、これは風邪のウイルスには効きません。かえってお腹を守っている腸内細菌を殺してしまっているのです。普段からイソジンを使うとだめです。イソジンでうがいすると喉を守っている細菌もいっしょに殺してしまうからです。」

と話されています。

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抗酸化体質をつくる

抗酸化体質とは、老化しにくい体質ということです

私たちは呼吸し生きていますが、呼吸により取りこんだ酸素がエネルギーを産生する過程で、活性酸素が発生します。そして、この活性酸素により、体が酸化し老化していくのです。

老化は生き物である限り、避けることは出来ませんが、そのスピードは緩めることができます。ビタミンCなどは酸化を止める作用がありますが、これを抗酸化といい、これら抗酸化物質を多く摂ることにより、抗酸化体質をつくることができます。

歯周病予防に抗酸化体質をつくる食事は大切です。

1万年前の身体に近い状態で自然にふれあって生活すると、免疫力は高まるといわれています。また、穀類、野菜類、果物類などは積極的に食べることで腸内細菌の餌になり、やはり免疫力を高めます。

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科学的に効果が確認されている抗酸化物質一覧

 ・水溶性ビタミンC
 ・脂溶性ビタミンE
 ・カロチノイド群

  1. αーカロテン:ニンジン、カボチャ、コーン
  2. βーカロテン:ニンジン、ホウレンソウ、ブロッコリー
  3. リコピン:トマト
  4. ルティン:ホウレンソウ、夏カボチャ、ブロッコリー
 ・尿酸
 ・ユビキノール:コエンザイムQ10
 ・葉酸
 ・グルタチオンとアセチルステイン

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抗酸化食品一覧

食品 抗酸化物質 抗酸化以外の効果
 ホウレンソウ  リコピン
 ニンニク  アリシン  血小板凝集抑制
 ゴマ  ビタミンE  脂質代謝促進
 緑茶  カテキン  抗菌効果
 大豆  イソフラボン  血行促進
 ナス  クロロゲン酸
 カレー粉  クルクミン

抗酸化力の高い食品は体の老化を抑え、さらに、ガン細胞を除去し免疫力を高める、最高の働きを持っています。

抗酸化食品について

代表的なものを挙げると以下の3つになります。

1.緑黄色野菜

緑黄色野菜というと、緑色の濃い野菜をイメージすることが多いのですが、抗酸化力を高めるためには、緑だけでなくいろいろな色の野菜を多くとることがお勧めです。

緑黄色野菜の抗酸化力の正体は、植物がもつ「ファイトケミカル」です。

このファイトケミカルはさまざまな種類がありますので、何種類かの野菜を同時に摂ったほうが、より効果があります。

食べ方はサラダでも、スープでも、何でもかまいません。

<抗酸化力の高い野菜>

ブロッコリー、ホウレンソウ、ピーマン
トマト、パプリカ(赤)、にんじん
かぼちゃ、パプリカ(黄)
赤たまねぎ、ビーツ、赤カブ、赤じそ
その他 にんにく、玉ねぎ、長ねぎ、香草類

2.アスタキサンチンを含む魚

抗酸化力をもった食材は魚にもあります。

サーモン、(鮭)はとても高い抗酸化力をもった食材です。

このサーモンにはアスタキサンチンという抗酸化物質が含まれて、この抗酸化力はとても強く、ベータカロチンの10倍、ビタミンEの550倍から1000倍にも相当するといわれています。

実際、週1回サーモンを食べている人は、食べていない人と比べて脳血管障害を発症するリスクが四分の一になったという論文もあるそうです。

<アスタキサンチンを多く含む食材>

サーモン、甘エビ、いくら、鯛 

3.フルーツ<鮮度のいいものをできるだけ皮ごと食べる>

フルーツがもつ抗酸化物質の代表は「ビタミン」です。中でも、「ビタミンA]「ビタミンC]「ビタミンE]の3つです。ほとんどのフルーツがビタミンを含んでいますが、フルーツによってかなりの差があります。

最近のフルーツは糖度が高いので、食べ過ぎは血糖値を上げ、肥満になるリスクも高めてしまうので、やはりできるだけビタミンを多く含んでいるフルーツを選んでください。

<ビタミンを多く含むフルーツ>

ビタミンA マンゴー、パッションフルーツ、あんず
ビタミンC アセロラ、レモン、アサイー、キーウィフルーツ
ビタミンE キーウィフルーツ、ブルーベリー、あんず

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歯周病には、海藻が効果的

緑藻類 葉緑素をもち、きれいな緑色をしたもの。

マグネシウムや鉄、銅、アルミニウムなどが豊富
あおのり、あおさ、みるなど。

褐藻類 葉緑素のほかにフコキサンチンと呼ばれる褐色の色素をもつ。

茶色がかった緑色をしている。

アルギン酸を豊富に含み、血中コレステロール低下や高血圧の予防に効果的。
わかめ、ひじき、こんぶ、ほんだわら、など。

紅藻類 葉緑素のほかにもフィコエリトリンという赤色の色素をもつ。

海藻のなかでは、それほどミネラル含有量が多くない。

あまのりやてんぐさなど。
あまのりは、ビタミンA効力、ビタミンB、ビタミンCが豊富

特にひじきやワカメは、海藻類の中でも食物繊維含有量がかなり高く、またカルシウム、鉄、リン、カリウムなどのミネラルも豊富です。

ひじきのカルシウムは、まいわしの丸干しやごまと同じくらい、普通の牛乳のなんと10倍以上もあります。

歯周病の患者さんは、どうしても、栄養学的にミネラルの不足、あるいは吸収不全があるようです。

積極的にミネラルを摂るべきですが、栄養補給剤などに頼るとむしろ過剰摂取になり、問題が起きます。

ですから、効率よく食事を楽しみながら栄養を摂るのには、海藻が大変適しているのです。

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ストレス環境の改善

ストレスからの回避方法は個人差があります。

前述の藤田教授は「笑いはNK活性を高めます。1日1度は大声で笑うと免疫力は非常に高まります。ストレスをストレスと思わずポジテイブにいきましょう。運動はいいですが、プロ並みの運動量は無用です。死にそうな顔をしてジムで運動している人を見かけますが、それでは免疫力が落ちるだけです。楽しく運動しなければなりません。」と言われています。

また、少々ストレスが強く、寝られないとか軽い「ウツ」のような症状があっても、安易に薬に頼るのはよくないと思います。

多くの精神安定剤、睡眠導入剤、あるいは睡眠薬などは口の中が乾燥する副作用があります。

結果として、歯周病菌を繁殖させる原因にもなります。

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骨を強くする!

歯周病は、歯を支える骨が溶けていく病気です。ですから、「骨を強くする=骨の中のカルシウム量を増やす」のもたいへん有効です。

「空腹が人を健康にする」の著者の南雲吉則先生は

“歩くことにより、重力によって骨に負荷をかければ、骨の中のカルシウム量はどんどん増えていく”

と述べられています。

カルシウムを多量に摂取するだけでは、骨の中には、蓄えられません。無重力の状態で、宇宙飛行士がカルシウムを普通の人の何倍も摂っていても、地球に戻ってきたときには骨粗鬆症になっています。

高齢者がいくらカルシウムを摂っても骨がどんどんもろくなっていくのは、齢を重ねるにつれ、運動量が減っていくことに関係しています。

さらに、ホルモンも減っていくため、骨がカルシウムを維持できなくなり、膝や腰の痛みがでてきて、歩かない傾向が強くなり、ますます骨が弱くなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

骨の中のカルシウムは歩いて補うのです。

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歯周病予防になる好ましい食生活について

歯周病予防のための特別の食生活、食習慣はありません。健康を考えた、体に負担をかけず、老化させない食生活を心掛けることです。

摂取カロリーを控えめにする

そのためには、以下のことに注意してください。

1.摂取カロリーを控えめにする。

カロリーを控えるこにより、加齢による様々な退行性変化(老化現象)が抑制、遅延されることが、これまで、多くの動物実験により証明されてきました。

カロリーを制限すると、体内での栄養素の代謝に関わる負担が軽くなるとともに、エネルギーを作る材料が少ないため、エネルギーが作られる過程で発生してしまう活性酸素の量も少なくなり、細胞の酸化が弱まります。

そして、少ないエネルギーで身体の様々な機能を維持しなくてはならなくなることから、生命維持優先のモードに切り替わり、体中の細胞の老化のスピードが緩やかになります。

2.栄養のバランスを考える

たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)のバランスはそれぞれ、15~20%、20~25%、55~60%程度が望ましいとされています。

たとえば、菓子パンとジュースなどの昼食はとんかつ定食並みの高カロリーであるだけでなく、たんぱく質や副栄養素が少なく、ケーキやクッキーと同質の糖分(単糖類、二糖類)や身体に良くない脂肪分(飽和脂肪酸、トランス脂肪酸や酸化した脂肪分)主体のカロリーです。

3.食べる順番も考える

血糖値の急激な上昇は高インシュリン血症をもたらし、動脈硬化を進め、老化を加速させます。
甘いものや精製されたもの(白米、白パンなど)ほど血糖値を上昇させます。
したがって、繊維質の多い野菜類や海藻類をまず最初に食べましょう。
それから体を温めて代謝を促す汁物(味噌汁やスープ)です。
ショウガやネギ類、にんにく、香辛料も体を温めます。
ご飯やパンは最後に食べましょう。

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歯周病予防とサプリメント

ビタミンやミネラルが不足すると、よく口内炎ができます。したがって、歯周病予防にも、サプリメントは有効であるといえます。

サプリメント

一方、サプリメントはあくまでも食事の補助として位置づけられるものであり、各種栄養素は食事からの摂取が基本です。

しかし、ビタミンとミネラルについては、食材や栄養バランスに留意した食生活を送っていても、白米や、精製された小麦粉、砂糖などが多い現代の食事では、残念ながら不足しています。

したがって、ビタミン、ミネラルなどは、サプリメントとして摂取することは必要といえるでしょう。ビタミンは主要なビタミン全てを摂ることで、それぞれが持っている機能が十分に発揮されます。

ということは、一部のビタミンが少ないときは、他の種類のビタミンをいくら多く摂っても効果が出ないということです。ミネラルも同様で、主要なものをもれなく摂ることで、体内の諸機能を維持し活性化することができます。

さらに、ビタミン、ミネラル以外に、抗酸化の強化目的に各種のポリフェノールやコエンザイムQ10などを摂ることも有効です。

◎ビタミン・ミネラル

ビタミンE、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、セレン、亜鉛、クロム

◎他の栄養素

ポリフェノール、コエンザイムQ10(抗酸化)
アントシア二ン、ルテイン、アスタキサンチン(目のコンディションを整える)
グルコサミン、コンドロイチン(膝の痛みの緩和)

洗口剤についてはこちらをご覧ください

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