一般に、歯を失う原因は、虫歯と歯周病だと言われています。しかし、実際、治療する側から言わせていただくと、その2つよりも、咬合性外傷で大事な歯を失う場合のほうが多いのです。
もともと、20代のころから歯周病になってしまった、歯ぐきの弱い方の場合、歯が時間とともに、1本1本抜けていきますが、残った歯の本数が少なくなればなるほど、歯が抜けるのが早くなっていきます。
それだけ、かみ合わせの力の負担がかかってくるわけです。(これが、咬合性外傷です)
一方、若いころ、歯周病にはならなくて、虫歯にもならない、“いわゆる、歯医者なんかいったことがない!”方の場合は、それこそ、なんでも、ぎゅうぎゅう噛んだり、くいしばったりするものですから、歯は壊れなくても、次第に、歯を支える周りの組織が壊れてきて、歯が緩んできます。
ぎゅうぎゅう噛んだり、くいしばったりすることを“ブラキシズム”といいます。
この “ブラキシズム”により、“咬合性外傷”の状態になり、歯を支える歯周組織の抵抗力が弱くなっているところに歯周病に感染し、(もともと存在していた歯周病菌が元気になって)あっという間に歯がなくなっていきます。
歯周病と咬合性外傷は密接な関係
ですから、歯周病と咬合性外傷はお互いに密接な関係があるわけです。
歯周病の原因の一つにストレスがありましたが、ストレスによるくいしばり、これが最も、咬合性外傷の原因になります。
食事時以外はなるべく、歯をギュッとくいしばらないようにしたいものです。
あと、パソコンなどを長時間やり続けていると、肩がこってきませんか?
これも無意識のうちにくいしばっているので、要注意です。
肩から首にかけて、顎と閉じる筋肉とつながっているので、ついくいしばっているのです。 力仕事以外の机に座って仕事をしている人や、運転を長時間する人にも咬合性外傷が多いのも、このためです。 これを防ぐには、同じ姿勢を長く続けない(1時間以上)ことです。
少し周囲を歩いたりして、体をほぐすといいと思います。 どうしても、くいしばってしまう人はマウスピースをおすすめしていますが、これもほどほどにです。入れすぎもかえってよく、ありません。