マウスピース矯正
矯正歯科コラム
2018年10月9日
もくじ
マウスピース矯正のメリット・デメリット
最近、マウスピース矯正という矯正治療が行われるようになってきました。
この矯正治療は従来のように、ワイヤー装置など、歯に装置を装着するのではなくて、透明のマウスピースを歯並びの状態に合わせて、いくつも作り変えながら、徐々に歯を動かしていく治療法です。
マウスピース矯正装置の種類には、インビザライン、アソアライナー、トレーナーシステムなどが挙げられます。
メリット
- 装置が見えにくい
- 装置が外れることもない(マウスピースが破損することはあります)
- 金属アレルギーの人にも矯正治療が受けられる
デメリット
- 歯を動かすのが難しいので、軽度な治療が中心
- 装着時間が長い(1日20時間以上)
- 装置が壊れることもある
- 噛み合わせを整えにくい
- 後戻りしやすい
- むし歯、歯周病になりやすい
- 成長期のお子さんには向かない
- とくに費用が安いわけではない(床矯正治療よりも高い)
適応について
実際に歯を動かすには矯正器具の力が必要で、床矯正治療の場合はさらに“よく噛む”ことで噛む力を利用して歯を並べます。したがって、マウスピースを装着するだけですと、重度の歯列不正、とくに噛み合わせも修正したい場合では難しい(適応外)のではないでしょうか?
また、歯並びは正しい咀嚼嚥下機能や舌の機能、さらに適度な咬合力によって維持されますので、ただ、歯を動かしただけでは治りません。おそらく、口腔機能の向上のトレーニングをしなければ、治療終了後、後戻りも考えられます。
また、マウスピースを長時間、長い期間にわたって装着していることは、顎関節にもあまり良い影響はないのではないでしょうか。以前は「顎関節症」の治療にマウスピースが多用されていましたが、現在はほとんど使用されません。かえって顎関節の症状悪化がみられるからです。