小児矯正と舌小帯
小児矯正と舌小帯
「舌小帯とは、舌の根元のヒダのことです。
舌小帯が短いと以下のような問題が生じます
- ?咀嚼・嚥下障害
- ?発音障害
- ?上あごの未発達
- ?歯並び、噛み合わせの問題
舌は通常、飲んだり食べたりするときには、上あごの内側(口蓋)にくっつけて機能します。しかし、舌の下にあるヒダが短いとくっつけられず、咀嚼・嚥下機能に障害が出ます。
さらに、発音時にも、上あごの口蓋につけられないので、サ行、タ行、ナ行、ラ行などに障害がでますし英語の発音時などにも支障がでます。
また、上あごは舌を嚥下時、発音時など、常に口蓋にくっつけて、上あごの成長にも影響を大きく及ぼしていますので、くっつけられなければ、成長は悪くなります。
そして、上あごの成長が悪ければ、必然的に歯並びも悪くなります。
また、舌が上あごにくっつくことで上下の歯の噛み合わせが決まるのですが、舌小帯が短い時は、下あごが後退した状態になり、相対的に上あごが前に出てしまい、いわゆる“出っ歯”のようになってしまうことがあります。
対処法としましては、6,7歳ころ、麻酔をして、メス(電気メスまたはレーザー等)により切り、舌が上に上がるようにします。
その際、ただ、舌小帯を切るだけですと、また、元通りにヒダがくっついてきてしまうので、術前、術後に舌のトレーニング(口腔筋機能療法=MFT)を行うことです。術前から練習し、術後は2、3日後から少し痛いですが舌を動かして、トレーニングをやっていきます。
また、舌は血管が多く出血しやすいので、使用するメスは電気メスかレーザーメスを使用します。麻酔も十分聞かせますので術中は痛くもないし出血もほとんどありません。
あと重症な舌小帯異常の場合、新生児期に母乳、ミルクを飲むのに支障がある場合、すぐに切除する場合もあります。
小児矯正の場合、舌を持ち上げたときに舌が口蓋につかず、さらに小帯に舌が引っ張られてハート型になってしまう場合は早期に切除します。
近藤歯科クリニックでは、舌小帯を切除するかどうかは、よくお母様、お父様と相談し、行う場合は当クリニックで処置しています。
麻酔も局所麻酔で、下唇も同時に麻痺するくらいで歯を削るときくらいのレベルで、処置自体も一瞬で終わる処置なので、それほど難しいものではありません。
口腔外科に行く必要もありません。処置後も、麻酔が1時間くらいして醒めれば食事をしてかまいません。
何でも、お気軽にご質問ください。