矯正治療の難易度
もくじ
矯正治療の難易度
一口に矯正治療と言っても、治療の難しさの程度はだいぶ差があります
。
以下は当クリニックで行う、永久歯を抜歯しない矯正(小児矯正、床矯
正)という方法での治療の難易度を考えたものです。
比較的簡単なケース
○小児の前歯の叢生(そうせい=歯の重なり)
○小児の出っ歯(上の歯が出ている状態)
○大人の部分矯正(目標がはっきりとしているもの)
○幼児期の受け口
中等度の難いケース
○小学校高学年の犬歯の叢生
○小児の前歯の反対咬合
○大人の全体的な矯正
難易度の高いもの
○小学校高学年の受け口(反対咬合)
○開咬(上下の歯が咬みあわない状態)
○大人の犬歯の叢生(八重歯)
治療不能のケース
○大人の反対咬合
○顎変形症
矯正治療の難易度を決める条件
まず、年齢が若いほど、矯正治療は難しくない、大人になるほど難しく
なる、といえます。
そして、“歯並び”は比較的修正は易しいですが、“噛み合わせ”を変えてい
くのは、たいへん難しいといえます。
なぜならば、“噛み合わせ”を決めていくのは“舌の位置”“舌の動き”である
からです。
舌がちゃんと上顎の内側(口蓋=こうがい)に普段、また、食べ物など
を飲み込む時にくっついている人はノーマルな上下きちんとした上の歯
が適度に下の歯にかぶっている状態になります。
しかし、舌が普段、口蓋にくっつかず、のどの方に落ちている場合は、
下顎が後ろに下がり、その結果、上の前歯が前に出ているように(出っ
歯)なり、さらに舌が前の方にチラチラと出てくるようだと、“受け口”や
“開咬(かいこう)”になってしまいます。
この舌の位置、舌の動きというのは、無意識によるものなので、コント
ロールすることはたいへん難しいのです。
ですから、“受け口”“開咬”の治療の難度が高いのです。
当クリニックでは、この“舌の位置、動き”に対して、舌のトレーニングを
行うことにより、幼児期、小児期の反対咬合を治療しています。
遺伝的傾向は変えられる?
従来行われてきた矯正治療では“様子を見ましょう”“遺伝的傾向、または
骨格的に決まっているから、矯正治療は難しい”と言われてきましたが、
年齢が若く、症状も軽度なうちに、“舌のトレーニング”に取り組むことに
より、ある程度の成果もでています。