噛み合わせと矯正
もくじ
噛み合わせと矯正
『噛み合わせ』と言いますと、なにか難しいようなイメージがありますが、皆さんはいかがでしょうか?
- 噛み合わせが悪くて歯が悪くなる
- 噛み合わせが悪くて頭が痛くなる
- 噛み合わせが悪くて身体が悪くなる
上記のように噛み合わせは原因だと考えてしまう方が多いかと思いますが、実は“噛みあわせ”は原因ではなく、結果なのです!
考えてみてください。“噛み合わせ”と身体、どちらが先に出来たのでしょうか?
“身体”は生まれたときにあるのに対し、“噛み合わせ”が形成されるのは永久歯が生えてくる6歳〜12歳です。ちょうど小学生から中学生になる間ですね。
この小学校6年間は、長い一生を送るための身体づくりの大事な大事な期間です。この時期に身についた習慣、癖、体の使い方、性格、第二次成長期の成長発育(親から受け継いだ体質、骨格)、それらの結果で“噛み合わせ”が作られるのです。
したがって、この時期の悪い習慣が“悪い噛み合わせ”の原因となります。
よく噛まないこと、普段の姿勢が悪いこと、運動不足、不規則な生活、すぐにイライラすること、寝相が悪い(うつ伏せ、横向き)など、噛み合わせを悪くする要因はさまざまです。
良い習慣づくりをしましょう
床矯正治療は、「食べ物をよく噛む」、「舌のトレーニング”をよく行う」など、良い習慣づくりを行います。
遺伝的傾向(体質、骨格)なども悪い噛み合わせの原因になりますが、小学生の成長期に良い習慣づくりをし、口の周りの機能を向上させ、良い歯並び、良い噛み合わせづくりをしていけば、だいぶ噛み合わせが良くなります。
従来の矯正治療は“歯を動かす”ことを重視していましたが、歯並び、噛み合わせが“結果”であることを考えれば、悪い歯並びになった原因を変えていく=原因治療である床矯正治療は理にかなっていますし、“矯正治療後の後戻り”も少なくすることができるといえます。
歯並びと噛み合わせ
矯正治療の場合、一般的に歯並びを整えてから噛み合わせをつくっていきます。歯並びを整える治療はそれほど難しくないのですが、噛み合わせを整える治療は難易度が上がります。
例えば反対咬合(受け口)の治療は、同時に歯並びと噛み合わせも治していかなくてはならないため、難しい治療なのです。
上述の通り、噛み合わせは習慣、体の使い方などの結果ですから、患者さん自身が生活習慣を変えていこうという姿勢がなくては変えられないからです。
矯正歯科治療は、歯並びだけを治しても、自然な噛み合わせになるわけではありません。良い歯並びと噛み合わせを得るには、歯科医師とお互いに意思の疎通を図りながら、患者さんご自身でも前向きな姿勢で治療に向かうことが必要です。