年代別歯並びの特徴
一般的に、矯正歯科は早く始めるほど、歯の萌出や骨格の成長に合わせて理想的な治療結果を得ることができます。
もくじ
乳児期(0歳〜2歳)
この時期がお子さんの歯並びに関して最も重要な時といえます。
なぜならば、歯並びに最も影響を与える“お子さんのあごの成長”が“赤ちゃんの時の母乳の飲み方”により、たいへんな影響を受けてしまうからです。
正しい母乳の飲ませ方は一般に、「お母さんのおっぱいを口の奥まで、深くしっかり押し込んで、あかちゃんの上唇がめくれている状態にして、コクコクっと飲ませる」のが良いようです。
そうすると、あかちゃんの上あご(口蓋)に陰圧がかかって、あごを成長させるのです。
おっぱいのくわえ方が浅いと、ほっぺたをすぼめる吸い方になってしまい、上あごの成長が悪くなり、歯並びが悪くなる傾向にあると言えるでしょう。
また、離乳食も、あまりやわらかいものを早期に食べさせないほうがいいでしょう。
哺乳がしっかりとできて、ハイハイで活動的に動きまわるようになってから、ある程度噛める食べ物にしましょう。
この時期(1歳前後)は前歯が生えていますから、それをよく、使わせてあげてください。
幼児期(2歳〜5歳)
この時期も、実際に矯正治療をすることはないですが、あごの成長にとって、乳児期の次に重要な時期といえます。
よく遊び、よく噛んでゆっくりと食事をさせることです。
食事はおかずや野菜は食べやすく小さく切らずに前歯でしっかりとかじらせるようにしてください。
前歯を意識して使うことにより、上下のあごの成長につながります。
この時期は歯並びを気にするよりも、あごを成長させていく時期なのです。
ただ、受け口(反対咬合)の場合、よく、歯科健診などで、「永久歯に生え変わるまで、様子を見ましょう」と言われたりしますが放っておかずに“短時間口にはめて、受け口を修正する装置(パナシールド)”というのがありますので、歯科を受診してください。
この装置で改善する場合もあります。
>>パナシールドについてはこちら
小学校低学年(1年、2年)
この時期は実際に矯正治療を始めていく時期です(ベストの時期と言えます)。
上下の永久歯の前歯4本が生え変わる時期であり、犬歯が生え変わるまでの間ならば比較的、矯正治療が簡単であるからです。
犬歯が生える時期(小学校4〜6年生)になってしまうと、前歯だけでなく、奥歯(小臼歯、大臼歯)も矯正治療により、歯を動かす必要がでてくるためです。
従来の歯を抜く考え方の矯正治療では、成長発育がある程度終わり、永久歯が生えるのを待って、矯正治療に入っていました。
したがって、一般歯科で歯並び相談をすると、「まだ様子を見ましょう」と言われるのです。
しかし、床矯正治療では、この時期が“貴重な成長発育を生かす時期”としてたいへん重要なのです。
小学校(3年、4年)
この時期もお子さんの成長発育(背がぐーんと伸びる)の前で、犬歯がまだ生え変わっていないお子さんが多いので、まだ、床矯正治療にはたいへん良い時期といえます。
ただし、女の子の場合は男の子より、1年ちょっと背が伸びるピークが早いので、要注意です。
それだけ早く歯も生え変わり、4年生になると、犬歯が生え変わってしまうお子さんもみられます。矯正治療も上下の歯をいっぺんに始めなくてはなりません。
小学校高学年(5年、6年)
この時期になると、ちょっと遅すぎるという感じになります。
歯の生え変わりも進み、あごの成長のピークも過ぎています。
ただ、お子さん自身が“きれいな歯並びになりたい!”というしっかりとした目標をもっている場合は大丈夫です。
しっかり、矯正装置をつけて、よく食べ物を噛むように、真面目に取り組んでくれますので、経過がいいといえます。
ただ、治療期間が長くなりますので、根気よく、長期的な頑張りが必要です。
中学生、高校生
ほぼ、体、あごの成長発育も終了していますので、大人の矯正と同じです。
大人の矯正を参照してください。