小さなお子さまがいらっしゃるご家庭では、歯が生えてくる時期が気になることかと思います。

子どもの歯である乳歯は、生後6～8ヵ月くらいから生えてきて、3歳くらいまでには生えそろいます。

問題は、その後に生えてくる永久歯ですね。

永久歯はどこから生えるのか。

何歳くらいから乳歯と生え変わるのか。

ここではそんな永久歯の萌出に関する疑問にお答えます。

 

永久歯が生える順番について

「永久歯はどこから生える？」という疑問は、大人の歯が生える順番を知ることで、自ずと解消されます。

大人の歯である永久歯は、最初に「下の6番」が生えてきます。

厳密には下顎の第一大臼歯と呼ばれるもので、「6歳臼歯」という別称を持つ歯です。

日頃からお子さまの永久歯はどこから生える？という疑問をお持ちの方は、この6歳臼歯に着目するようにしましょう。

下の6番目の奥歯が生えてきたら、いよいよ乳歯列期も終わりを迎え、永久歯列期が始まるのです。

 

永久歯への交換時期の目安

6歳臼歯は、文字通り6歳前後に生えてきます。

ですから、永久歯はどこから生えるという疑問を持っている場合は、お子さまが6歳くらいなるまでは、それほど心配する必要はありません。

日本人の傾向からすると、6歳以前に乳歯から永久歯への交換が始まっていなくても、大きな異常は疑われないからです。

また、6歳というのはあくまで目安であって、永久歯が生えてくる絶対的な指標ではない点も強調しておきます。

とくに乳歯から永久歯への交換時期は個人差が大きく、6歳を過ぎても生え変わりが起こらないケースは珍しくないのです。

ただ、6～7歳になっても乳歯列のままだと、永久歯はどこから生える？いつ生え変わる？といった疑問や不安が生じることでしょう。

そうした子どもの歯の生え変わり時期に関して少しでも心配な点が出てきたら、いつでもお気軽に立川の近藤歯科クリニックまでご相談ください。

当院では、お問い合わせフォームをご用意しておりますので、おなまえや連絡先とともに、「気になるところ」を記載していただければ、折り返しご連絡させていただきます。

お子さまのお口の中の写真を添付していただいても構いません。

 

下の1番から生えてくることもある

繰り返しになりますが、永久歯が生えてくる順番には個人差があります。

歯医者さんは基本的に「永久歯はどこから生える？」と聞かれたら、「6歳臼歯から生えることが多いです」と答えるようにしていますが、実際は下の1番から生えてくるケースも少なくありません。

下顎の中切歯（ちゅうせっし）ですね。

歯並びやお口の状態によっては、上の6番から生えてくることもありますので、その点はご注意ください。

子どもの歯の交換時期および順番は、柔軟に対応することが大切といえます。

 

乳歯から永久歯への生え変わりの異常について

乳歯から永久歯への生え変わりは、個人はもちろんのこと、人種によっても違いが見られることから、一概に語るのは難しいです。

あるお子さまにとってはそれが正常であっても、別のお子さまにとっては、異常である可能性も十分に考えられるのです。

それだけに永久歯はどこから生える？いつ生えるの？不安に感じてしまう親御さまのお気持ちもよく理解できます。

そこで皆さまが知りたいと思うのが乳歯から永久歯への生え変わりの異常についてですね。

とりわけ永久歯が生えてこない場合は、すぐにでもその原因を知りたいことかと思います。

 

永久歯が生えてこない原因

「永久歯はどこから生える？」という疑問をお持ちの方の多くは、永久歯の萌出遅延（ほうしゅつちえん）に悩まされていることかと思います。

つまり適切な時期を迎えても永久歯が生えてこないため、不安に感じてしまうのです。

そんな永久歯の萌出遅延が見られる原因としては、以下の症状が考えられます。

 

原因1：スペース不足

顎の骨が小さかったり、乳歯の歯並びが悪かったりすると、永久歯が生えてくるスペースを確保できないため、適切な時期を迎えても萌出が起こりません。

こうしたトラブルを防ぐためには、早い時期から小児歯科や矯正歯科に通っておくと良いでしょう。

必要に応じて小児矯正を受けることで、永久歯の萌出遅延を防止できます。

 

原因2：乳歯の虫歯の重症化

乳歯の虫歯を放置すると、歯の神経が死んでしまいます。

その結果、歯への交換時期を迎えても歯根の吸収が起こらず、すぐ下に控えている永久歯の放出が妨げられてしまいます。

乳歯の根の先から細菌などの汚染物質が漏れ出ている状態でも、永久歯の放出が阻害されることがあるため要注意です。

ただ、最初に生えてくることが多い6歳臼歯は、「加生歯（かせいし）」とも呼ばれるもので、子どもの歯がもともと存在していない部位から生えてくるため、重症化した乳歯の虫歯の影響は、比較的受けにくいといえます。

それでも萌出遅延のリスクは必ず伴いますので、乳歯の虫歯は放置せず、できるだけ早く治療をすることが重要であるのは間違いありません。

 

原因3：歯茎が厚い・硬い

永久歯が埋まっている部分の歯茎が厚かったり、硬かったりすると、萌出するのに時間がかかる場合があります。

そのまま放置していても正常な萌出が見込めないケースでは、歯茎を切開するような処置が必要となる場合もありますので、まずは歯医者さんに診てもらいましょう。

 

原因4：歯が骨と癒着している

歯は、強い衝撃を受けることで骨と癒着することがあります。

専門的にはアンキローシス（骨性癒着）と呼ばれる現象で、歯と歯槽骨が直接、結合するため、萌出に異常が見られる場合もあります。

お子さまが転倒などの外傷で、該当部分を強く打った経験がある場合は要注意です。

 

原因5：歯胚の位置異常

私たちの歯は「歯胚（しはい）」という状態から徐々に発育が進み、本来の形へと変化していきます。

その歯胚の位置が異常だと、萌出遅延を招くことが多いです。

本来、生えてくるべき場所とは異なる位置に存在しているため、萌出が順調に進んでいかないのです。

そんな歯胚の位置異常も小さい頃から歯医者さんに通っていれば、早期に発見できます。

 

永久歯の先天性欠如に要注意

「永久歯はどこから生える？」という疑問を持った場合は、萌出の遅れを心配していることかと思いますので、まずは上段で解説した5つの原因に該当するかどうかを考える必要があります。

ただ、実は永久歯の萌出の遅れや異常を引き起こす原因としては、上記の5つ以外にももうひとつ注意しなければならない症状があるのです。

それは「永久歯の先天性欠如」です。

私たちの永久歯は全部で28本生えてくるのが正常ですが、その本数が少ないケースというのは意外に珍しくはないのです。

2010年に実施された日本小児歯科学会の調査では、約10人に1人の割合で、永久歯の先天性欠如が発生していることがわかりました。

30人の学級なら、そのうちの3人に歯の本数が少ない症状が見られることになります。

永久歯の先天性欠如は、萌出が遅れているのではなく、そもそも歯胚が存在してないため、いつまで待っても生えてくることはありません。

その点は十分にご注意ください。

 

まとめ

このように、大人の歯である永久歯は、前から6番目の歯から生えてくるのが一般的です。

「永久歯はどこから生える？」という疑問を持たれている方は、本文で解説した内容を参考にしてみてください。

今現在、お子さまの歯の生え変わりや永久歯の本数などに不安がある場合は、立川の近藤歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。

事前にお問い合わせフォームにて気になる症状などを記載していただくと、相談もスムーズに進むかと思います。