MENU
お問い合わせ
矯正歯科コラム

前歯が生えてこない!

矯正歯科コラム
2021年1月13日

小学校低学年のお子さんのお母様方から、「乳歯が抜けたのに前歯が生えてこない」という相談がよくあります。大切なお子さんの一生ものの永久歯になりますので心配になってしまうでしょう。でも、ほとんどは解決できる何かしらの原因がありますので安心してください。ではどういった原因が関係していることが多いのか解説していきます。

矯正・小児矯正に関する、ご相談・お問い合わせはお気軽に下記よりご連絡ください。

前歯が生えてこない

前歯が生えてこない

そもそも永久歯の前歯とは?

はじめに、永久歯の前歯の基本事項を確認しておきましょう。

永久歯の前歯の種類

永久歯の前歯とは、乳歯が抜けた後に生えてくる大人の歯のうち、前方に位置する歯を指します。
前歯には大きく分けて「中切歯(ちゅうせっし)」「側切歯(そくせっし)」の2種類があり、上顎と下顎にそれぞれ左右対称に生えてくるため、全部で8本存在します。

中切歯は最も中央に位置する歯で、笑ったときに最もよく見える歯でもあります。
その外側にあるのが側切歯です。
これらの歯は、発音や食べ物を咬み切る役割のほか、見た目の印象を左右する重要な部位でもあります。
特に中切歯の形や位置は、お子さんの口元のバランスや印象を決める大きなポイントになるため、正しい位置に正しい時期に生えてくることが望まれます。

永久歯の前歯の生え方の異常

今回は「前歯が生えてこない」というテーマですが、永久歯の前歯が生えてきても、生え方に異常があるケースも多々見られます。
具体的には、前歯が斜めに生えていたり、標準よりも前方に出ていたりする生え方は、たくさんのお子さんに見られる症状です。
そんな永久歯の前歯の生え方の異常は、歯のサイズ、上唇小帯の付着異常、周りの歯や骨の異常など、ケースによって原因が異なるため、気になる症状が見られたらまずは歯医者さんに相談するのが良いと言えます。
この点についてさらに詳しく知りたい方は、当院のコラム「永久歯の前歯について」をお読みください。

乳歯が抜ける順番・永久歯が生える順番

「前歯が生えてこない」という問題を正しく理解するためには、乳歯が抜ける順番や永久歯が生える順番を大まかにでも理解しておく必要があります。

乳歯が抜ける順番

永久歯が生えてくるためには、まず乳歯が自然に抜ける必要があります。
乳歯の抜ける順番はある程度決まっており、通常は前歯(中切歯)から順に抜け始め、側切歯、犬歯、小臼歯、そして最後に乳臼歯が抜けていきます。

乳歯が予定通りに抜けず、いつまでも残っていると、永久歯が正しい位置に生えてこられず、歯列不正の原因になることがあります。
特に前歯においては、乳歯の根がうまく吸収されない、あるいは外傷などで乳歯が早期に脱落してしまうと、永久歯の生え方に影響を与えることがあります。
乳歯の交換が順調に進んでいるかどうかを定期的に確認することが、健全な歯列を育てるうえで重要です。

永久歯が生える順番

永久歯もある程度決まった順序で生えてきます。
最初に生えるのは6歳臼歯(第1大臼歯)で、これは乳歯の奥に初めて生える永久歯です。
そして、その前後に下の中切歯が生え替わり、その後、上の中切歯、側切歯というように、前歯から犬歯、そして奥歯へと順に置き換わっていきます。

この順番には個人差があるものの、大きくずれることはあまりありません。
永久歯が順調に生えてくることで、咬み合わせの安定や見た目の調和が保たれるため、生え方に乱れがあるときには注意が必要です。
乳歯が抜ける順番や永久歯が生える順番についてさらに詳しく知りたい方は、立川の近藤歯科クリニックのコラム「永久歯はどこから生える?」をご覧ください。

永久歯が生えない理由

永久歯が生えてこない理由としては以下の4点が考えられます。

1.歯の生えるスペースが少ない

これは、上あごの前歯によくあることで、生えてくる永久歯が予想以上に大きい、それに対して生えるスペースが不足しているのです。

最初の生え変わりは下の前歯(中切歯)。これは、ほとんどの場合、すんなり生えてきますので、「歯の生え変わりって乳歯が抜けるとすぐに永久歯が出るんだなあ!」と思ってしまいます。
下の前歯の次は上の前歯、今度は左右どちらかの1本目はすんなり出ますが、もう片方が少し時間がかかります。
これは生えるスペースが不足しているためです。

そして、次は下の側切歯。これも、すでに生えている中切歯の横(スペースが無い場合は内側)に生えてきます。

問題は次の上の側切歯!これがなかなか生えてきません!
子どもの乳歯が抜けてから、半年以上も生えてこない!ということもよくあります。
その場合、レントゲンを撮ってみると、永久歯の側切歯が大きすぎて、すでに生えている中切歯と隣の乳歯の犬歯に挟まれて出られない状態、ということが多いです。
ですから、上あごの側切歯は乳歯が抜けてもすぐに生えてこないことが多いのです。

2.先天性欠損

もともと、生まれつき歯の数が少ない場合もあります。
ただし、無くなる歯は大体決まっていて、前歯ですと、下の側切歯(片方または左右両方)が一番多く見られ、その次に上の側切歯(主に片方、両側は稀です)です。
それ以外の歯は滅多にありません。真ん中の中切歯がもともと無いケースは、長年(30年以上)歯科をやっていますが、見たことはありません。

奥歯では、下の第二小臼歯(片側、もしくは両側)が多く見られます。
乳歯のときに、癒合歯(ゆごうし=二つの歯がくっついて一つになった歯)や、乳歯の本数が少ない時は、永久歯の欠損が見られることが多いので、永久歯が生える時期になりましたら、かかりつけの歯科でレントゲンを撮ってもらってください。

3.乳歯が早く抜けてしまったとき

重度のむし歯で歯の神経が死んでしまった、もしくは歯科医院で神経を殺してもらった場合などは、乳歯が通常の生え変わりの時期より早く抜けることがあります。
さらに、よくあるのは、上の前歯で以前に強くぶつけて歯が弱くなってしまったケースです。
これらは、乳歯が抜けそうになっても、その下の永久歯がまだ根(歯根)が出来ていなくて生えてこられないのです。
この場合はすぐに生えてこなくても待っていればいいですが、心配でしたら、小児歯科の受診をおすすめします。
あと、歯の生え変わりは個人差があり、一般的に男の子の方が、女の子よりおおよそ半年くらい遅くなっています。

4.過剰歯が邪魔をしている

上あごの真ん中に、「正中過剰歯」という通常の永久歯とは別に、余計な歯(過剰歯)が生えてくることが時々あります。
当クリニックでは、子どもの矯正治療が主体のため、お子さんを他の歯科医院より多く診るためか、年間2、3人ほど見ます。
過剰歯は正規の歯(有るべき歯)と形が違っていて円錐形にとがっていますので、直ぐにわかります。
乳歯が抜けて(この場合は、通常の生え変わりより早めに抜けます)永久歯が生える前に生えてくる場合と、もぐっていて(埋伏歯)永久歯を生えにくくしたり、永久歯が曲がって生えてしまうこともあります。

矯正・小児矯正に関する、ご相談・お問い合わせはお気軽に下記よりご連絡ください。

そのままにしておくとどうなるのか?

状況によって対応も変わってきますので、4つの理由ごとに述べてみます。

1.スペース不足の場合

ほとんどの場合、歯が重なって生えてきますが、たまに生えることが出来なくて、もぐったままになってしまっていることがあります。
それぞれの歯の萌出時期⇒詳しくはこちらへ 乳歯(子どもの歯)の生え変わりをよく覚えておくことです。
やはり、乳歯が抜けて半年以上生えてこない、あるいは、生え変わりの年齢より1,2年たってしまっている場合は早めに歯科を受診されてください。

2.先天性欠損の場合

上の側切歯が1本少ないときは、放っておくと正中(左右の中切歯のライン)が歯の少ない側に寄ってしまうので、矯正治療を受けられた方がいいでしょう。
下の前歯の欠損(側切歯または中切歯)の場合、1本だけであれば、ほとんど目立ちませんが、2本になると、すきっ歯になったり、下あごの歯列自体が引っ込んで、上の前歯が相対的に前に出て、いわゆる“出っ歯”になってしまうことが多いので、2本以上の場合も矯正治療を受けられた方がいいでしょう。

3.乳歯が早く抜けてしまった場合

一般的に乳歯が早く抜けてしまうと、永久歯が生えるまでに永久歯の生えるスペースが少なくなってしまう傾向にあります。
かかりつけの歯科で継続的に診てもらい、その対処法(近藤歯科クリニックの対処法は後述)を相談しながら、永久歯の生えるまで待ちましょう。

4.過剰歯のある場合

すでに生えている過剰歯は抜いたほうがいいでしょう。そのままにしておくと永久歯の萌出に支障がでます。
もぐっている過剰歯が生えてきたら、これも抜いたほうがいいでしょう。

前歯が生えてこないと歯並びが悪くなる?

「そのままにしておくとどうなるのか?」でも解説しましたが、子どもの前歯が生えてこない状態を放置していると、いくつかの理由で歯並びが悪くなります。
ここでは具体的な悪い歯並びの種類や子どもの歯並びが悪くなる原因、子どもの歯並びを治す方法を簡単に解説します。

子どもの悪い歯並びの種類

永久歯の前歯が正しく生えてこないと、歯並びにさまざまな影響が生じます。代表的な歯並びの異常としては、以下のようなものがあります。

叢生(そうせい):デコボコの歯並びで、乱ぐい歯とも呼ばれます。

すきっ歯(空隙歯列):歯と歯の間にすき間ができる状態。永久歯の数が足りない場合にも見られます。

出っ歯(上顎前突):上の前歯が前方に突き出た状態。見た目の問題だけでなく、口が閉じにくくなることもあります。

反対咬合(受け口):下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態で、骨格的な要因も関連します。

これらの歯並びの異常は、見た目だけでなく、咬む力のバランスや発音、口腔清掃のしやすさなど、機能面にも影響を及ぼすため、早期の対応が求められることがあります。

子どもの歯並びが悪くなる原因

歯並びが乱れる原因は一つではありません。
遺伝的な要素に加えて、生活習慣や乳歯・永久歯のトラブルも大きく関係しています。

たとえば、指しゃぶりや口呼吸、舌癖(舌を前に突き出すクセ)などの癖は、歯やあごの発育に影響を与え、前歯の位置異常を引き起こすことがあります。
また、むし歯などで乳歯を早くに失ってしまうと、後続の永久歯が傾いたり、予定とは違う位置に生えてきたりすることもあります。

さらに、永久歯がもともと存在しない「先天性欠損」や、過剰歯(歯の数が多い)といった異常も、歯並びを乱す原因となります。
これらは見た目ではわからないため、レントゲン検査などによる診断が必要です。

子どもの歯並びを改善する方法

前歯が生えてこない、あるいは位置がずれている場合には、まずレントゲンで永久歯の状態を確認することが重要です。永久歯の歯胚が確認できれば、ある程度自然に生えてくる可能性があります。
ただし、何らかの障害物(過剰歯など)が生えてくるのを妨げている場合には、外科的な対応が必要になることもあります。

また、歯並びが乱れている場合には、成長発育に応じて早期に矯正治療を検討することもあります。
特に、骨格の成長がまだ柔軟な時期であれば、負担の少ない矯正方法で改善できるケースも多く、当院でも「抜かない歯医者」として、可能な限り歯を抜かずに歯並びを整える方針で治療に取り組んでいます。

小児矯正では、顎の成長を促す装置や、口腔習癖の改善を目的としたトレーニングなども併用しながら、総合的にお子さんの口腔環境を整えていきます。
定期的なチェックと、必要に応じたタイミングでの介入が、健やかな成長をサポートします。
そんな小児矯正については「子どもの歯並び」というコラムでさらに詳しく解説をしています。

永久歯が生えない時の対処法

近藤歯科クリニックでは、以下の対応をしております。

①原因の確認

レントゲン撮影、ご両親ご家族の欠損歯の有無、などの情報収集を行います。

②今後の予測

自然に生えてくるのか、それとも処置が必要か、など。

③噛み方、食事指導

前歯がスペース不足で生えない場合は前歯で意識して(歯がまだ生えていなくても)噛むように指導します。

④機能トレーニング

舌、唇などの機能が低い場合は機能トレーニングを行います。そのお子様に合うものを考えます。

⑤矯正治療の開始

場合によっては、拡大装置、マウスピースなどを用いて矯正治療も行います。

⑥重度の場合

重度の場合(年齢的に小学校高学年以上)は外科処置により開窓(歯ぐきを切開して歯冠を出します)、さらには、マルチブラケット、床矯正装置を用いて潜っている歯を引っ張り(牽引)ます。

 

グラグラの乳歯は自分で抜いて大丈夫?

①自然に生え替わりを待つ場合

位置的には上下の乳歯の前歯、状況的にはまだグラグラしていない歯

②親御さんが抜いてよい場合

すべての乳歯で、グラグラですぐに抜けそうな歯でお子さんが歯科に行くのを嫌がっている場合

③歯科医師に任せた方が良い場合

位置的には乳歯の犬歯(これは放っておくと永久歯の犬歯が外側に出て、しかも歯が捻れて回転してしまう場合があるため)、さらに乳歯の奥歯(低位歯といって隣の歯より下の位置に有り、自然には抜けない場合があります)、乳歯の一番奥の歯である第二乳臼歯は抜けないで残ってしまうことがあります(この場合、永久歯がもともと無い=先天性欠損、のこともあります。)

 

まとめ

このように、近藤歯科クリニックでは、そのお子様の状況、年齢、歯の位置、成長発育のタイプなどに合わせて対処しています。
ここで大事なことは、なるべく早期に、「おかしい?」と思われたら、すぐに受診されることです。
“様子を見ている”よりは“状況の把握”です。

Googleの口コミ

千岡千岡
23:57 28 Oct 22
子供の矯正と私も虫歯で通いました。先生の説明はわかり易くハキハキした方で気さくな感じが私にはあってますが、ダラダラと話し込みたいタイプの患者さんには不満なのかもしれません。ただ他の口コミの様な怒鳴ったり高圧的な態度をとられた所などは見たことがないので不思議です。気さくで声が大きい元気な感じがお医者さんぽくないからですかね。料金もかなり抑え目で腕もいいのでいつも混んでいて、先生は飛び回って診察していますが、歯科助手の方が付きっきりお話を聞いてくださいます。私がかかった時の歯科助手の方はかなり知識が豊富で先生に聞かなくても疑問は解消されていましたよ。下の歯がかなりガタガタしていた娘の歯は抜歯無しでとても自然に綺麗になり本当に大満足です。先生が忙しい事を理解して、人気があり混んでいる事も我慢出来る方は是非利用してみるといいと思います。
いーちゃんママいーちゃんママ
11:08 30 Jun 22
歯並びは一生ものと思い、色々調べた結果矯正としては、小学1年生からお世話になりました。現在中学生になり、気兼ねなく、にこっと笑えるのは、こちらの歯科医院のおかげです。矯正治療は、本人も家族も労力が入りますが、小学生の時に通って良かったっ思います。(中学に入ると一気に忙しくなるので。)お菓子の是非や、生活での決まりなど、最初はびっくりする程厳しく感じる先生との約束ですが、歯は大事!と思えば、きっと大丈夫。歯医者さんに連れて行くことは、時に母親の負担が大きくなりますが、その分ゴールが見えた時は嬉しく感じました。
晴美藤原晴美藤原
11:11 20 Jan 22
子供の歯並びが酷く、ワイヤーを張るタイプの矯正予定でした。しかし上下あわせて4本抜かないと綺麗に並ばないと言われて、知り合いに相談したところ、こちらのクリニックを紹介されました。先生とお話しさせていただき、抜くことなく、痛くなく治せると説明頂き通うことを決めて9年通いました。お陰様で歯を抜くことなく綺麗に揃い、とても感謝しております。予約が取りづらい(人気があるので)ですが、腕は確かです。料金は一括払いではないのも良かったです。
js_loader

お問い合わせ / ご予約

立川の矯正歯科なら近藤歯科クリニックへ

矯正・小児矯正に関する、ご相談・お問い合わせはお気軽に
下記よりご連絡ください。
お電話でのご予約お問い合わせはこちら
042-524-0722
お問い合わせ